進学して活躍する卒業生インタビュー
大妻女子大学 (ティーチングアシスタント)
専攻工芸研究領域(染)修了
大学院は自分の可能性を拡げられた
ターニングポイントに
作家活動のきっかけと、作家として活動してみての感想を教えてください。
作家活動のきっかけは、卒業制作です。一番自分が楽しかった、自分の表現したいものを反映できる技法としてスクリーン捺染を選択し、約半年間制作しました。もっとこの表現と技法で作品を作りたいと思ったのがきっかけです。今のアルバイト先のオーナーとディレクターに出会えたことは成長のきっかけになりました。私の作家活動をご理解いただき、私の能力が活かせるよう、新たな企画を考えてくださいました。そしてそこで得た経験と体験がまた作家としての制作へと還元されて良いサイクルが生まれていると思います。
実際に取り組まれたお仕事と現在の主な活動内容を教えてください。
大学院修了後は販売なども学べて、他の分野の作家のことも知ることができる場所で働きたいと思い、国内作家の陶器を扱うギャラリー兼ショップで、販売スタッフのアルバイトを始めました。作家活動に理解のあるオーナーのもと、お店で扱う包装紙や企画展のポスターをデザインしています。それがきっかけとなって、アパレルのテキスタイルやロゴなどの制作依頼なども受けるようになりました。
工芸専攻を選択し、今に至った経緯を教えてください。
女子美の付属出身なのですが、進路選択の際、「絵を描くのが好きで、手を動かすのも好きだから、工芸が良いんじゃない?」という友人の助言もあり、工芸専攻を選択しました。はじめは、学びたい分野を決めてはいませんでした。いざ学ぶ中で、絵が描けて、自分の理想の色の表現ができる、さらには絵画よりも軽やかな布という媒体に好感を持つようになり、染分野を選択し今に至ります。ずっと楽しくて続けている感覚です。
学生生活のなかでのターニングポイントを教えてください。
卒業制作の講評で、「貴方はもっと新しい表現ができるのではないか。」と先生からご指導をいただき、正直頭が真っ暗になるような衝撃を受けました。そこから必死に考え、インプットとアウトプットを繰り返し、一週間後に納得できる形で新しい表現を生み出せたことは、自分の可能性を拡げられた大きなターニングポイントだったように思います。そこからいろいろなアーティストの作品を観るようになりましたし、歴史や様々な知識が制作に関係してくると考えるようになりました。
大学院に進学したことが今の活動にどう活きていますか?
大学院では、学部と違って、自分で計画を立て、個々のペースで制作をします。制作に集中できる時間がたっぷりあるので、私の場合は作家になるための準備期間だと思い、自身で制作をマネジメントすることを覚えました。また、大学院では自分を客観的に見られるようになり、作品に対する強み、アピールポイントを他者にプレゼンテーションするための基礎を学びました。
今後について、どんなことを考えていますか?
染色やグラフィックデザインだけではなく、最近ではイラストも描くようになりましたが、表現媒体を1つに絞るのではなく今は興味のあること全てをやってみたいと思っています。
デザイン業は日々挑戦で、相手がいて制作をするところにやりがいと難しさを感じています。これからもっと勉強したい分野です。作家としては、定期的に個展が出来るようになりたいです。
※2023年時点のインタビューです。