新しい創造と研究をもって未来をつくる 大学院 工芸研究領域

工芸研究領域では、日本のものづくりの伝統に根ざしたこれからの工芸の可能性を見出し、
新しい創作研究を目指します。
大学院では多角的な視点を持ち、自らの独創性を深める制作に繋げることが出来る作家を育成していきます。
創作テーマを確立し、染、織、刺繍、陶、ガラスの5領域の専門性を高めます。

大学院の特徴

\ 大学院の特徴 / 領域を超えた素材の融合

美術専攻は、洋画、日本画、版画、工芸、立体芸術の5つの研究領域から成り、他領域の実技授業を履修し、自らの表現のための技法や思考法を学ぶことが出来ます。オリジナリティを高めると共に、発想の幅を広げ、ジャンルの境界を超えた表現の創作研究が可能になります。

\ 大学院の特徴 / 個人のテーマに合わせた研究

学部からの一貫教育で、担当教員によるマンツーマンの指導体制のもと、各領域の専門性を深めます。表現・手法の専門的技術を高め、作品制作に取り組み、独自の視点の創作表現を探究して学生の将来的発展の可能性を追求します。

\ 大学院の特徴 / 社会への積極的な発表の機会

学外での公募展・グループ展の参加や個展での発表を積極的に行っています。作品を通して自己と他者との接点を模索し、社会で活躍するための知識やコミュニケーション能力を養います。視野を広げ、専門家として社会に貢献できる人材を育成します。

\ 大学院の特徴 / 世界的に活躍する専門家の指導

世界的なアーティストや研究者を招聘して、レクチャーや講評会を行います。第一線で活躍する方の視点や思考に触れることは、新しい視座で自分の研究を客観的に見つめ直すことにつながります。その学びを通して各自のテーマに沿った研究を構築できるように導きます。

今までに習得した専門的な技法や制作に対する姿勢をもとに、さらに研鑽を重ね、より専門性の高い魅力ある作品を生み出し、新たな視点で創作を構築する場です。様々な表現方法を通して各自のテーマと対峙し、独自性のある表現を追求します。「機能としての布」や「芸術としての布」、「伝統」と「現代」、「素材と表現」等、自身の視点を明確にし、染色文化の一端を担う意識を持って、社会に発信できる創作研究を目標にします。

[ 院生作品 ]

長沢 碧
『うららかな春-早春-』
『うららかな春-晩春-』
中田 百霞
『月映』-つきばえ-

大学で学んだ知識と技術を基に、さらに高度な創作活動と各自の研究テーマに沿った新しい表現を研究します。伝統的な染織技法や特殊加工の研究、空間的なテキスタイルアートまで、幅広い織の分野に対応します。いずれにおいても素材の特色を生かし、発想から独自技法へと展開する過程で常に考察することで、新しい表現が創り出されます。多様化する現代に適したデザイン・造形表現を目指して、素材や技術に取り組みます。

[ 院生作品 ]

原 祥子
『流れゆくもの』
遊馬 初奈
『ゆらめき』

刺繍

本研究領域では、伝統的な技法について研究を行い、日本刺繍の特質を考察することを出発点とします。伝統の継承やその新しい展開を視野に入れながら創作研究を行い、糸による表現の可能性を模索しながら創作研究を行うなどの方向性を決めて、明確な姿勢をもって制作に取り組みます。また、日本刺繍の知識と技術は、染織文化財の保存修復分野で活かされており、その分野についても学んでいます。

[ 院生作品 ]

岩田 泰子
『また明日』
鎌田 ゆり
『足跡』

陶についての知識・表現方法を一通り修得した人が、さらに進んで研究を行う場です。地球の土石原料から粘土や釉をはじめ多種の陶素材が作り出され、焼成方法のありかたによって陶の物質感は大きく変化します。自ら素材を扱い、技術向上・応用・新技法考案など成形制作に臨みます。伝統ある分野ですのでその歴史をふまえ、自分はどのような点に問題意識があるのかを明確にし、密度の濃い充実した研究を行っていきます。

[ 院生作品 ]

八木 緑香里
『五代目』
大学院専用の設備
自分の研究に集中して取り組めるよう、学部生とは異なる専用の設備を用意しています。また院生と相談しながら、設備や道具のサポートを行います。窯は院生専用を設置しており、いつでも焼成可能にしています。

ガラス

熔融ガラス・鋳造ガラスなどの手法によって透明・不透明など様々な表現を持つガラス素材をいかに自分の表現したいものに反映させていくかを実際の制作活動を通し、研究していきます。造形を思考すると同時に独自のガラス素材表現も思考することが必要不可欠であり、その上で主体的に自己と他者の関係を確立し、物質および精神の両面において必要とされる作品を作りだすことが創作の原点となって行きます。

[ 院生作品 ]

黄 美眞
『あふれる』
姜 懿倬
『がらすの血肉』