織 院生作品

遊馬 初奈

『ゆらめき』

手紡ぎ・織 | 羊毛・麻 | 300×400cm

私は自然の美しさをオリジナルの色彩と糸で表現することをテーマとしている。私にとって「憧れの美しさ」とは常に自然が作り出す風景や色彩であった。自然は人々の心を動かす力を持った存在である。美しく調和のとれた色彩は、人々の心に癒しや安らぎを与えてくれる。今回の作品では四季の中で、最も色彩豊かな紅葉の時期をイメージし、「色彩や光」の豊かさやうつろいを表現した。羊毛を繊維状態から染色し、自らの手で糸を紡いでいく。この手法は染色した繊維同士を混ぜ合わせることで、より細やかな色彩を作り出し、さらに手紡ぎによって糸を均一にも、太さに抑揚をつけることもできる。この独自の手法で、私自身の美への憧れ、そして自然への憧れを作品に表現した。私というフィルターを通して織り成された自然の姿が、鑑賞者の心に平穏や感動を与えることを期待する。